すずきの書評・感想日記

本や映画、ゲーム、Kindle Unlimitedなどで読んだ電子書籍の感想です

天才(?)プランナーが見たソシャゲ会社の実態――やしろあずき著『やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記』

 『やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記』は、人気ネットマンガ家のやしろあずきさんが、ゲーム会社に勤めていたころを振り返って描いた実録(?)マンガ。

やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記
ナンバーナイン (2018-08-03)

 描かれているのは、ソシャゲ会社の人々の生態、宣伝バナーの作り方、イベント準備中の会社の様子、デザイナーとのバトルなどなど。登場人物は男ばかり、「『NEW GAME!』、ウソじゃねえか!」とぶち切れるのはやめましょう。

 モデルになった企業の具体名は書かれていないのですが、やしろさんのWikipediaを見るに、1社目の中小ゲーム開発会社はAiming、2社目の大手ゲーム開発会社はセガ。Aimingが『剣と魔法のログレス』、セガが『ファンタシースターオンライン』を運営していることを思うと、マンガ内にネトゲの描写が妙に多いことに納得がいきます。

 個人的に驚いたのは、やしろさんがCEDECのペラ企画コンテストで何度も入賞しているデキるプランナーであること。

 ネカマにダマされた話をしばしばTwitterで自虐的につぶやいていますが、その経験さえも企画に生かして、ネカマを見破る「オープンTHEネカマ」という企画が審査員にバカ受けしていたりします。

 「こういう企画コンテストってどういう人が応募しているんだろう」と思っていたのですが、こういう人だったんですね・・・。

 やしろさんは家族ネタの同人誌も出していて、こういう家庭からこういう逸材が生まれるのかと思ったり。父親がファッション会社を経営していて、母親がファッションデザイナーということなので、結構お金持ちの家庭ですね。

 こちらは内輪ネタなので万人には勧めづらいですが、ファンの人にはいいかも。

やしろあず記 僕と家族のクソみたいな日常
やしろあず記弐 僕と家族のクソみたいな日常
やしろあず記参僕と家族のクソみたいな日常
やしろあず記 僕とネット
ナンバーナイン (2018-08-03)
やしろあず記 僕と黒歴史
ナンバーナイン (2018-10-05)