すずきの書評・感想日記

本や映画、ゲーム、Kindle Unlimitedなどで読んだ電子書籍の感想です

2019-01-01から1年間の記事一覧

樋田敦子著『東大を出たあの子は幸せになったのか』

もうちょい未知の領域に突っ込んでいく時のアプローチ方法が知りたかったかも ・東大での中でも特殊な人を選んでいる気がする ・最初に全体の卒業後データを出すのが誠実なのでは ・男性50歳、女性35歳というような女性のみの若年定年制もざらだった ・「妊…

堀淵清治著『萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか』

・1990年にコミックバブル崩壊 ・欧州で日本のマンガ文化が広がったのはイタリアから。ドイツは1990年代後半になってから。イギリスはいまだにピンときていない ・1989年にアメリカでAKIRAショック ・米国で雑誌の定期購読をする習慣がカジュアルになったの…

佐藤敏章著『手塚番 ~神様の伴走者』

・ちばてつやさんとか横山光輝さんとか居催促常連 ・少年サンデーができたころは、講談社は一に学習雑誌、二に教育技術だった。アカデミズムの岩波、アミューズメントの講談社、エデュケーションの小学館というイメージ ・サンデーとマガジンは創刊号同日発…

梅原大吾著『勝負論 ウメハラの流儀』

・あるゲームに負け、反省をし、自分の中に良い変化、つまり成長があれば、それは勝ち続けられている状態にある ・基礎があって初めて個性が生まれる ・「自分は何ができないから結果が出せないのか?」 ・「正確さ」「速さ」「なるべく少ない力で行うこと」…

川村元気著『世界から猫が消えたなら』

「何でもない音楽や小説のことを、あたかも世界が変わることかのように話してくれる」 世界から猫が消えたなら posted with amazlet at 19.11.06 マガジンハウス (2013-03-22)売り上げランキング: 19,947 Amazon.co.jpで詳細を見る

B‐ing編集部『プロ論。』

横山秀夫「何かを犠牲にしないで、夢を見てはいけない」 養老孟司「先が見えなくなって、まずは一歩踏み出してみること」 高橋がなり「負け犬は群れるから自分が負けていることに気付かない」 笑福亭鶴瓶「自分の世界を作って、中心人物を目指す」 プロ論。 …

篠田博之著『生涯編集者: 月刊「創」奮戦記』

メディアを攻める際にスポンサーに圧力をかける戦術は、1980年の噂の真相事件でも行われている。印刷所も攻める手法もあった 『創』は報道被害を追及するスタンス。これは今、ネットの草の根の動きで必要なことかも。YouTuberとかがやる役割。 協力者に寄り…

川村元気著『億男』

落語のようにうまくオチは付けられているけど、深さはあまりないような感じはした。 189ページに「スパークル」という単語。すぐに思いつける単語ではない。本作は2014年10月刊、『君の名は。』(2016年8月公開)で使われた同名の楽曲とどちらが先に生まれた…

胡蝶藍著『マスターオブスキル 全職高手』

中国のオンラインゲームの世界を描いたネット小説。オンラインゲームを突き詰めた先にプロリーグがあり、イースポーツ事情も描いている。 SAO(無双もの)+魔法科高校(強いコミュニティから抜ける&最強自作武器)という雰囲気。MMOとPKが混じり合う作中の…

柚木麻子著『早稲女、女、男』

真面目だがどこか要領の悪いワセジョの主人公。ワセジョとして軽い扱いを受ける自分が、実はワセジョという枠にとらわれていたことに気付いていく物語 「この世の誰も、早稲女がイケてないなんて思ってないよ」 著者は立教大学文学部フランス文学科出身。主…

ジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鉄』

ピサロがアステカ帝国侵略したくだり。アタワルパはなぜ無防備だったのか。 インカ帝国やアステカ帝国は、ヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘によって敗れた 歴史的に中国は統一されているメリット・デメリットを享受し、ヨーロッパは分裂しているメリット・デ…

朝井リョウ著『何者』

他人に理想の自分を想像してもらおうとしている 想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。他の人間とは違う自分を、誰かに想像してほしくてたまらないのだ 淡々とした日常を続けて置いて、最後に仕掛けをもってくるのが舞台っぽい 何者(新潮文庫) p…

藤村忠寿著『けもの道』

定期的に無理やりコンテンツを作るよりは、良い編集ができるだけの間を空けてやった方がいい けもの道 (角川文庫) posted with amazlet at 19.09.11 KADOKAWA (2014-05-24)売り上げランキング: 67,390 Amazon.co.jpで詳細を見る

造事務所『裁判所へいこう! 』

直系の親族や同居している家族の窃盗は罪が免除される 裁判所へいこう! (PHP文庫) posted with amazlet at 19.09.10 造事務所 PHP研究所 売り上げランキング: 1,497,728 Amazon.co.jpで詳細を見る

島田裕巳&矢野絢也著『創価学会 もうひとつのニッポン』

田原本よりは池田さんに厳しめ。 学会の中で厳しく指揮を執っていた池田さんの姿が描かれている 初期は信者の拡大、言論弾圧事件後は選挙によってまとまる創価学会の姿 創価学会 もうひとつのニッポン posted with amazlet at 19.09.07 島田 裕巳 矢野 絢也 …

田原総一朗『創価学会』

公明党の総点検シリーズ、現場主義、調査主義。米軍基地や税制に切り込む 巡礼の対象だった大石寺 創価学会の顧問弁護士の山崎正友による恐喝罪。警察調書の確認 大阪事件の裁判記録 被雇用者の支持が多かった公明党。もし、なかったら55年体制の中でも、革…

高杉良著『広報室沈黙す』

記者会見などの裏側を描いた本。記者会見を取材する側は記者なのでたくさん記録は残っているが、取材される側の話はなかなか世に出ないもの。それをフィクションとはいえ、表に出した本書の意義が大きい。 取締役の人数が22人と多かったり、電話でのやり取り…

羽田圭介著『成功者K』

実話をもとにした小説なので、元になったと思われるネタをまとめてみます↓ ・インターネット生放送番組→真夜中のニャーゴ ・カトチエ→加藤千恵 羽田圭介くん @hada_keisuke の芥川賞待ち会に来たはずなんだけど、これは本当に待ち会なのだろうか……。 pic.twi…

前田裕二『人生の勝算』

投げ銭が特徴的だったSHOWROOMだが、2014年にYouTubeでもスーパーチャット(投げ銭)を導入 グーグルトレンドでもダウントレンドで、本を出した頃が絶頂期だったのかも UBSの宇田川さんは、おそらくSBI証券取締役の宇田川宙さん ■新任取締役の就任に関するお…

村上世彰著『生涯投資家』

・株主代表訴訟の裁判費用は持ち出し ・累積投票制度、自分の票数を割り振れる。一方で少数株主に有利 ・中国のマイクロファイナンスとギリシャ国債で失敗 生涯投資家 posted with amazlet at 19.07.17 村上 世彰 文藝春秋 売り上げランキング: 4,473 Amazon…

大塚将司著『スクープ 記者と企業の攻防戦』

いずれ発表されることを少しでも早くスクープすることに、そこまで意味はあるのかなと感じたりはした ・在庫が増えたら要注意 ・支払手形と受取手形がどうなってるか時系列でみろ ・割引手形が増えているのか、増えていないのか ・損益分岐点分析と資金移動…

大塚将司著『日経新聞の黒い霧』

・日経の速報解禁は22時ごろ。クイックの情報端末で流れるが読売新聞などがチェックして朝刊に入れ込むことも。なので、特ダネは1時20分の朝刊締め切り時間より遅い2時に情報解禁することも ・小孫茂さんはイトマンの時に日銀クラブキャップ。鶴田社長の時に…

又吉直樹著『火花』

芸人のベストセラーということで、色眼鏡で避けてたけど読んでみたらとても良かった。芸人の葛藤、苦闘が痛いほど伝わってきた。芸人でないと分からない、触れられない飲み屋でのダサい話、芸に生きる話を入れてくれたのも、大変意義がある。 お笑いに限らず…

綾辻行人著『どんどん橋、落ちた』

プロが同人的な手法を使って書いたらこうなったという作品。トリックを最重視するがゆえにいろいろと奇想天外な仕掛けを使ってくるのが面白いところ。サザエさんのパロディ家族が出てくるところは実に同人的。 本格ミステリの行き詰まりから生まれた作品集な…

朝井リョウ著『桐島、部活やめるってよ』

疾走感あふれる文体で青春を描いた傑作。表題の桐島は登場しないものの、群像劇で描かれるのが、外伝が積み重なっていく感じでいい。 高校生の等身大の姿が描写されているのだが、それだけに物語っぽい設定、普通はいないだろうという設定の宮部実果の章があ…

綾辻行人『Another』

望月が犯人の流れだと思ってたけど、引っかかってしまった。 同一人物が違う名前で呼ばれるというトリックは十角館と同じかな Another (上) Another (角川文庫) posted with amazlet at 19.06.01 KADOKAWA / 角川書店 (2012-09-01)売り上げランキン…

新海誠著『小説 君の名は。』

イラストがないので、単独だと理解しにくいかも。映画と合わせて読むべき小説。 一番面白いのは最後の川村元気さんの解説。 新海誠監督と一緒に映画を作ることが決まった夜、居酒屋で監督の作品について語り合ったということなのだが、そこで挙がった作品が…

高嶋 哲夫著『電王』

ゴシップ的な部分を前面に出していて、将棋ソフトの本質や、棋士の思いを表しているかといえば微妙だなーという感じ 電王 posted with amazlet at 19.05.26 高嶋 哲夫 幻冬舎 (2016-12-15)売り上げランキング: 576,496 Amazon.co.jpで詳細を見る

山口真由著『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』

7回読みの話は後半。前半は経歴を引き延ばしての語り ・最初に全範囲を短時間で通読 ・否定形に注目するため句読点の前に注目、英語は否定語が出てくる付近に注目 東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 (PHP文庫) posted with amazlet at 19.05.25 PHP研究…

かねもと著『伝説のお母さん』

かつて世界を救った勇者のパーティにいた魔法使いの女性が、育児と仕事とのはざまで悩む物語。 コメディタッチにはなっているものの、現実の育児問題を的確に反映させているので胸が詰まるポイントがたくさん。 働くお母さんって大変なんだね、とより強く思…