すずきの書評・感想日記

本や映画、ゲーム、Kindle Unlimitedなどで読んだ電子書籍の感想です

2019-01-01から1年間の記事一覧

SmokingWOLF著『ゲーム開発者の地図: 20年の個人開発から学んだこと』

個人ゲーム開発者が、ゲーム開発の困難さ、その乗り切り方について解説した書籍。 こういう裏側を知ってしまうと、バグを見つけたときにちょっと気の毒な気持ちにもなったり。 ■ピックアップ 「補助魔法は、打数が変わるような数値設定にする」 「必要度が低…

鈴木みそ著『ナナのリテラシー』

2010年代前半、電子書籍黎明期の業界模様を描いた作品。 自伝に近い作品なのだが、本人ではなく、別の主人公を設定して、言いたいことを言わせているのがうまいところ。 結構、ハードに業界を分析しているのだが、タイトルから分かりにくいのが残念なところ…

山口三尊著『個人投資家の逆襲: 金なしコネなし知識なしの弱小投資家が判例100選に載るまで』

個人投資家として、企業寄りのMBOに訴訟を通じて改善を促した記録。金銭的に報われにくいことなので、意義はあってもなかなかやる人がいない分野。 逆のポジションの意見も聞きたいなと思ったり。 最後に訴訟する時の申請書例などが載っているので、弁護士を…

絵が下手だからこそ心が打たれるものがある――かっぴー著『原作版 左ききのエレン』

クリエイティブに携わる人々の思いを、広告というテーマに載せて描いた物語。 エレンという天才、エレンに及ばない才能ながらも苦闘する朝倉。二者の物語が交互に描かれ、そして交差していく。 何より心を打つのはクリエイターたちの創作にかける狂気ともい…

森もり子著『さよなら、ハイスクール』

スクールカースト底辺の男子高校生が、最上位の女子と付き合って、クラスのスクールカースト構造を破壊していく物語。 結局みんなクラスという小さなコップの中で、青春らしきものを送っていただけなんだというオチなんだけど、予定調和でないキャラクターた…

米光一成、青柳美帆子著『若手ライターはいかに生きるべきか』

ライターの生き方がテーマのトークイベントをまとめた書籍。若手ライターの生々しい実情が語られている。 企画にしても映画評論にしても、文字の人より動画の人の方が生き残っているのを見ると、供給が飽和している場所にいることの厳しさを感じたりもした。…

米原万里著『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

共産圏のお偉いさんの子どもたちが教育を受ける、チェコの学校に通っていた主人公が過去を振り返りつつ、現在の学友に会いに行く話。 旧共産圏の国々が大きく変化する中、その渦中で育った子供たちの話は胸を打たれるものがある。 ただ、インターネットで嘘…

あの大炎上事件の後日談も――佐倉色著『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』

インターネットの登場で、個人でも簡単に発信できるようになった現代。個人と企業のトラブルで、今までは個人が泣き寝入りしていたようなことがネットを通じて、訴えられることが増えています。 その代表例のひとつが本作『とある新人漫画家に、本当に起こっ…

天才(?)プランナーが見たソシャゲ会社の実態――やしろあずき著『やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記』

『やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記』は、人気ネットマンガ家のやしろあずきさんが、ゲーム会社に勤めていたころを振り返って描いた実録(?)マンガ。 やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記 posted with amazlet at 19.01.23 ナンバーナイン (2018-08-0…

ブラック企業を避けたい就活生はぜひ読んでおきたい――SSTG15制作『新卒退職本』

『新卒退職本』はコミケで頒布された同人誌の電子書籍版。好評を博したことから続巻が出ているのですが、僕が読んだ『新・新卒退職本』はその第2弾。第2弾とはいっても、第1弾の内容を含んでいるので電子書籍シリーズでは実質的な第1巻とのこと。 IT、大手電…

このブログについて

僕は2018年末のコミックマーケット95で『株主総会に行こう! すずきの潜入ドキュメント』という同人誌を頒布し、その後、Kindle版も公開しました。 株主総会に行こう! すずきの潜入ドキュメント posted with amazlet at 19.01.23 (2018-12-31)売り上げラン…