すずきの書評・感想日記

本や映画、ゲーム、Kindle Unlimitedなどで読んだ電子書籍の感想です

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

絵が下手だからこそ心が打たれるものがある――かっぴー著『原作版 左ききのエレン』

クリエイティブに携わる人々の思いを、広告というテーマに載せて描いた物語。 エレンという天才、エレンに及ばない才能ながらも苦闘する朝倉。二者の物語が交互に描かれ、そして交差していく。 何より心を打つのはクリエイターたちの創作にかける狂気ともい…

森もり子著『さよなら、ハイスクール』

スクールカースト底辺の男子高校生が、最上位の女子と付き合って、クラスのスクールカースト構造を破壊していく物語。 結局みんなクラスという小さなコップの中で、青春らしきものを送っていただけなんだというオチなんだけど、予定調和でないキャラクターた…

米光一成、青柳美帆子著『若手ライターはいかに生きるべきか』

ライターの生き方がテーマのトークイベントをまとめた書籍。若手ライターの生々しい実情が語られている。 企画にしても映画評論にしても、文字の人より動画の人の方が生き残っているのを見ると、供給が飽和している場所にいることの厳しさを感じたりもした。…

米原万里著『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

共産圏のお偉いさんの子どもたちが教育を受ける、チェコの学校に通っていた主人公が過去を振り返りつつ、現在の学友に会いに行く話。 旧共産圏の国々が大きく変化する中、その渦中で育った子供たちの話は胸を打たれるものがある。 ただ、インターネットで嘘…