すずきの書評・感想日記

本や映画、ゲーム、Kindle Unlimitedなどで読んだ電子書籍の感想です

村上世彰著『生涯投資家』

・株主代表訴訟の裁判費用は持ち出し ・累積投票制度、自分の票数を割り振れる。一方で少数株主に有利 ・中国のマイクロファイナンスとギリシャ国債で失敗 生涯投資家 posted with amazlet at 19.07.17 村上 世彰 文藝春秋 売り上げランキング: 4,473 Amazon…

大塚将司著『スクープ 記者と企業の攻防戦』

いずれ発表されることを少しでも早くスクープすることに、そこまで意味はあるのかなと感じたりはした ・在庫が増えたら要注意 ・支払手形と受取手形がどうなってるか時系列でみろ ・割引手形が増えているのか、増えていないのか ・損益分岐点分析と資金移動…

大塚将司著『日経新聞の黒い霧』

・日経の速報解禁は22時ごろ。クイックの情報端末で流れるが読売新聞などがチェックして朝刊に入れ込むことも。なので、特ダネは1時20分の朝刊締め切り時間より遅い2時に情報解禁することも ・小孫茂さんはイトマンの時に日銀クラブキャップ。鶴田社長の時に…

又吉直樹著『火花』

芸人のベストセラーということで、色眼鏡で避けてたけど読んでみたらとても良かった。芸人の葛藤、苦闘が痛いほど伝わってきた。芸人でないと分からない、触れられない飲み屋でのダサい話、芸に生きる話を入れてくれたのも、大変意義がある。 お笑いに限らず…

綾辻行人著『どんどん橋、落ちた』

プロが同人的な手法を使って書いたらこうなったという作品。トリックを最重視するがゆえにいろいろと奇想天外な仕掛けを使ってくるのが面白いところ。サザエさんのパロディ家族が出てくるところは実に同人的。 本格ミステリの行き詰まりから生まれた作品集な…

朝井リョウ著『桐島、部活やめるってよ』

疾走感あふれる文体で青春を描いた傑作。表題の桐島は登場しないものの、群像劇で描かれるのが、外伝が積み重なっていく感じでいい。 高校生の等身大の姿が描写されているのだが、それだけに物語っぽい設定、普通はいないだろうという設定の宮部実果の章があ…

綾辻行人『Another』

望月が犯人の流れだと思ってたけど、引っかかってしまった。 同一人物が違う名前で呼ばれるというトリックは十角館と同じかな Another (上) Another (角川文庫) posted with amazlet at 19.06.01 KADOKAWA / 角川書店 (2012-09-01)売り上げランキン…

新海誠著『小説 君の名は。』

イラストがないので、単独だと理解しにくいかも。映画と合わせて読むべき小説。 一番面白いのは最後の川村元気さんの解説。 新海誠監督と一緒に映画を作ることが決まった夜、居酒屋で監督の作品について語り合ったということなのだが、そこで挙がった作品が…

高嶋 哲夫著『電王』

ゴシップ的な部分を前面に出していて、将棋ソフトの本質や、棋士の思いを表しているかといえば微妙だなーという感じ 電王 posted with amazlet at 19.05.26 高嶋 哲夫 幻冬舎 (2016-12-15)売り上げランキング: 576,496 Amazon.co.jpで詳細を見る

山口真由著『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』

7回読みの話は後半。前半は経歴を引き延ばしての語り ・最初に全範囲を短時間で通読 ・否定形に注目するため句読点の前に注目、英語は否定語が出てくる付近に注目 東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 (PHP文庫) posted with amazlet at 19.05.25 PHP研究…

かねもと著『伝説のお母さん』

かつて世界を救った勇者のパーティにいた魔法使いの女性が、育児と仕事とのはざまで悩む物語。 コメディタッチにはなっているものの、現実の育児問題を的確に反映させているので胸が詰まるポイントがたくさん。 働くお母さんって大変なんだね、とより強く思…

SmokingWOLF著『ゲーム開発者の地図: 20年の個人開発から学んだこと』

個人ゲーム開発者が、ゲーム開発の困難さ、その乗り切り方について解説した書籍。 こういう裏側を知ってしまうと、バグを見つけたときにちょっと気の毒な気持ちにもなったり。 ■ピックアップ 「補助魔法は、打数が変わるような数値設定にする」 「必要度が低…

鈴木みそ著『ナナのリテラシー』

2010年代前半、電子書籍黎明期の業界模様を描いた作品。 自伝に近い作品なのだが、本人ではなく、別の主人公を設定して、言いたいことを言わせているのがうまいところ。 結構、ハードに業界を分析しているのだが、タイトルから分かりにくいのが残念なところ…

山口三尊著『個人投資家の逆襲: 金なしコネなし知識なしの弱小投資家が判例100選に載るまで』

個人投資家として、企業寄りのMBOに訴訟を通じて改善を促した記録。金銭的に報われにくいことなので、意義はあってもなかなかやる人がいない分野。 逆のポジションの意見も聞きたいなと思ったり。 最後に訴訟する時の申請書例などが載っているので、弁護士を…

絵が下手だからこそ心が打たれるものがある――かっぴー著『原作版 左ききのエレン』

クリエイティブに携わる人々の思いを、広告というテーマに載せて描いた物語。 エレンという天才、エレンに及ばない才能ながらも苦闘する朝倉。二者の物語が交互に描かれ、そして交差していく。 何より心を打つのはクリエイターたちの創作にかける狂気ともい…

森もり子著『さよなら、ハイスクール』

スクールカースト底辺の男子高校生が、最上位の女子と付き合って、クラスのスクールカースト構造を破壊していく物語。 結局みんなクラスという小さなコップの中で、青春らしきものを送っていただけなんだというオチなんだけど、予定調和でないキャラクターた…

米光一成、青柳美帆子著『若手ライターはいかに生きるべきか』

ライターの生き方がテーマのトークイベントをまとめた書籍。若手ライターの生々しい実情が語られている。 企画にしても映画評論にしても、文字の人より動画の人の方が生き残っているのを見ると、供給が飽和している場所にいることの厳しさを感じたりもした。…

米原万里著『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

共産圏のお偉いさんの子どもたちが教育を受ける、チェコの学校に通っていた主人公が過去を振り返りつつ、現在の学友に会いに行く話。 旧共産圏の国々が大きく変化する中、その渦中で育った子供たちの話は胸を打たれるものがある。 ただ、インターネットで嘘…

あの大炎上事件の後日談も――佐倉色著『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』

インターネットの登場で、個人でも簡単に発信できるようになった現代。個人と企業のトラブルで、今までは個人が泣き寝入りしていたようなことがネットを通じて、訴えられることが増えています。 その代表例のひとつが本作『とある新人漫画家に、本当に起こっ…

天才(?)プランナーが見たソシャゲ会社の実態――やしろあずき著『やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記』

『やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記』は、人気ネットマンガ家のやしろあずきさんが、ゲーム会社に勤めていたころを振り返って描いた実録(?)マンガ。 やしろあず記 ボクのソシャゲ開発日記 posted with amazlet at 19.01.23 ナンバーナイン (2018-08-0…

ブラック企業を避けたい就活生はぜひ読んでおきたい――SSTG15制作『新卒退職本』

『新卒退職本』はコミケで頒布された同人誌の電子書籍版。好評を博したことから続巻が出ているのですが、僕が読んだ『新・新卒退職本』はその第2弾。第2弾とはいっても、第1弾の内容を含んでいるので電子書籍シリーズでは実質的な第1巻とのこと。 IT、大手電…

このブログについて

僕は2018年末のコミックマーケット95で『株主総会に行こう! すずきの潜入ドキュメント』という同人誌を頒布し、その後、Kindle版も公開しました。 株主総会に行こう! すずきの潜入ドキュメント posted with amazlet at 19.01.23 (2018-12-31)売り上げラン…